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概要:米国株式市場はこれまでのところ、貿易戦争や決算低迷、今では米イラン対立を乗り越え、継続的に過去最高値を更新しているが、また新たな障壁を迎えることになる。大統領選をはじめとする2020年の米選挙戦だ。 投資家は早ければ2月初めにもボラティリティーが高まることに身構えている。この時期にアイオワ州とニューハンプシャー州の民主党員が候補者選びを開始するためだ。民主党が大統領選候補者による次回討論会を
Lewis Krauskopf
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場はこれまでのところ、貿易戦争や決算低迷、今では米イラン対立を乗り越え、継続的に過去最高値を更新しているが、また新たな障壁を迎えることになる。大統領選をはじめとする2020年の米選挙戦だ。
投資家は早ければ2月初めにもボラティリティーが高まることに身構えている。この時期にアイオワ州とニューハンプシャー州の民主党員が候補者選びを開始するためだ。民主党が大統領選候補者による次回討論会を開く14日には、来月に向けてどの候補が勢いを得るか手掛かりを得られるだろう。
進歩的な候補者が優勢となったり、バイデン前米副大統領といった比較的市場志向と見られている穏健派があまり支持を得られなかったりすれば、株価は下落する可能性がありそうだ。
民主党の候補者選びに時間がかかれば数カ月にわたる政治の不透明感に市場は直面するかもしれない。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(ボストン)のチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「投資家は大統領選を巡ってより視界が晴れるまで様子見を決め込む可能性がある。特に市場では非常に堅調な1年だったため、投資家が様子見姿勢をとっても私には驚きではない」と述べた。
19年に約29%上昇したS&P総合500種.SPXは、米イラン間の緊張が今のところ落ち着く中、9日に過去最高値を更新した。
BNYメロン・インベストメント・マネジメントのチーフストラテジスト、アリシア・レビン氏は「予備選シーズンはボラティリティーの源泉となるだろう」と指摘。市場は結果を口実に売り買いを交錯させるのではないかとの見方を示した。
投資家は株式市場全体にとって比較的好ましいシナリオを思い描いている。これにはトランプ大統領の再選のほか、バイデン氏やマイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長といった民主党の穏健派と見られている候補者の勝利が含まれている。
一方で、ヘルスケアやテクノロジーといった分野での規制強化、および富裕税を推し進める可能性が高いとみられているバーニー・サンダース上院議員やエリザベス・ウォーレン上院議員が予備選で他候補をしのぐことになれば、株価下落に見舞われるかもしれない。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ(ボストン)のチーフ市場ストラテジスト、デーブ・ラファ―ティー氏は「進歩派がバイデン氏ら穏健派をしのげばしのぐほど、市場は徐々に逆風の高まりを織り込み始めるだろう」と述べた。
ヘルスケア株は昨年、ウォーレン、サンダース両氏が政府運用の国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」を推し進めることへの懸念から下押し圧力にさらされた。こうした懸念は和らいだものの、ヘルスケア株はハイテク株、金融株、エネルギー株とともに、大統領選関連で今年注目されるとみられるセクターの1つだ。
連邦議会選も注目だ。トランプ大統領の共和党が上院を抑える一方、民主党が下院を握っており、こうした状態は投資家に言わせると比較的市場フレンドリーだ。
しかし、投資家によると、11月に民主旋風が起こり、上院も民主支配に変われば株価は打撃を受ける可能性がある。大統領と議会が1つの政党に支配されると大幅な政策の見直しにつながりかねないためだ。
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