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概要:米金融・債券市場では14日、長短金利が一時、2007年6月以来約12年ぶりに逆転した。投資家が米景気後退を懸念していることを示す兆候とみられる。これを受けて東京市場では、長期金利が2016年7月以来のマイナス0.245%まで低下したほか、日経平均も一時470円安を記録した。ただ、売り一巡後は下げ渋り、下値もみあいとなっている。市場関係者のコメントは以下の通り。 <ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出 真吾氏> きのう
[東京 15日 ロイター] - 米金融・債券市場では14日、長短金利が一時、2007年6月以来約12年ぶりに逆転した。投資家が米景気後退を懸念していることを示す兆候とみられる。これを受けて東京市場では、長期金利が2016年7月以来のマイナス0.245%まで低下したほか、日経平均も一時470円安を記録した。ただ、売り一巡後は下げ渋り、下値もみあいとなっている。市場関係者のコメントは以下の通り。
<ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出 真吾氏>
きのうの米国株式市場では、債券市場で逆イールドが発生したことにより、景気後退への懸念が高まり、主要3指数が大幅安になった。しかし、逆イールドというわかりやすい現象をもとに、アルゴリズムやHFT(高頻度取引)といった機械取引が振幅を大きくしているのが実状だとみられる。警戒心は強まっているものの、実際の景気後退にはほど遠い。
一時急反落した日経平均株価も、現在は戻り歩調だ。依然マイナス圏ではあるが、PBR(株価純資産倍率)1倍の水準となる2万円にいったん近づいたら、押し目買いが入っている。為替もそれほど円高で推移していない。急激な世界情勢の悪化や円高が起きない限り、日経平均の下げは限定的と考えられる。
ただ、マーケットはいま全体的に神経質になっている。しばらくはボラティリティの高い状況が続くだろう。また、あらゆるイベントに敏感に反応しているため、米経済指標、要人発言といった様々な材料に注目すべきだ。
9月の米利下げが確実視されるようになれば、マーケットはやや落ち着くだろう。トランプ大統領による米連邦準備理事会(FRB)への圧力は日々強まっている。マーケットも利下げを期待していることから、FRBの動きが引き続き注目ポイントになりそうだ。
<JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長 佐々木融氏>
米国債の2年金利と10年金利が逆転した。これまでイールドカーブが逆転した際の市場の反応は様々で、経験則はつかみづらい。ただ、ドル/円は日米10年債の金利差に沿った動きを続けており、米金利の低下がドル/円の重しとなりやすい状況に変わりはない。
前回、米国で2年─10年金利が逆転したのは06年2月。S&P500種は06年5─6月に7%程度下落したが、07年夏頃までに20%以上上昇。ドル/円も06年4─5月に7%程度下落したが、07年夏に向けて10%以上上昇した。
その前の金利逆転は1998年6月。いったん解消した後、00年2月に再度逆転した。この時もS&Pは98年7─8月、00年2月のイールドカーブ逆転時に大きく下落したが、その後反発した。ドル/円は98年8月をピークに00年1月まで30%程度下落。その後は横ばいが続いた。
どちらも国債金利が最初に逆転してから、米経済がリセッション入りするまでには時間を要しており、前回は1年10カ月、前々回は2年9カ月だった。株価、円相場の動きもまちまちで、経験則的な特徴は一概に指摘できない。
<バンクオブアメリカ・メリルリンチ チーフ金利ストラテジスト 大崎 秀一氏>
米国における長短金利逆転の主要因は、景気後退懸念よりも、マネーフローだとみている。長期金利がマイナス圏に沈む日欧に対し、米国は下がったとはいえプラス圏だ。投機的な買いやヘッジ目的の買いなどを巻き込んで長期金利が下がっているのだろう。
足元の米長期金利低下がこのまま続くかは微妙だ。米国経済指標をみる限り、本格的な景気後退を警戒させるほどは悪化していない。米国の対中追加関税第4弾が一部延期されたのは、消費財を通じた米経済への悪影響をトランプ大統領が懸念したからだ。選挙をにらみ対中強硬姿勢が一時的にせよ変化する可能性もある。
ただ、逆イールドが自己実現的に景気後退をもたらす危険もある。市場センチメントが悪化するなかで、株価が急落し、逆資産効果で消費が減少するルートは警戒感をもってみておくべきだろう。
円債市場でも米市場に従って長期金利は低下しそうだ。ただ、参加者の多くがお盆休みのなか、売り手が乏しくなっており、それが金利低下に拍車をかけている面もある。積極的に買われている印象はあまりない。
注目はあす16日に予定されている日銀の残存期間5年超10年以下の国債を対象をした買い入れオペだ。金利低下を防ぎに来るのか、それとも容認するのか。容認姿勢が確認されれば、長期金利はマイナス0.25%を目指すことになりそうだ。
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