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概要:Swaha Pattanaik [ロンドン 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国の首相に就任したボリス・ジョンソン氏は、ロンドンの金融街シティーからひとまずはある程度の信用を得つつある。ドイツ銀行<DBKGn.DE>出身のジャビド内相を新たな財務相に起用したからだ。ジャビド氏はほぼ全ての方面の人を喜ばせるような提案をしている。 父親がバス運転手だったジャビド氏は、自力でのし上がった移民2世の政治家であることを常に打ち出してきた。た
Swaha Pattanaik
[ロンドン 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国の首相に就任したボリス・ジョンソン氏は、ロンドンの金融街シティーからひとまずはある程度の信用を得つつある。ドイツ銀行(DBKGn.DE)出身のジャビド内相を新たな財務相に起用したからだ。ジャビド氏はほぼ全ての方面の人を喜ばせるような提案をしている。
父親がバス運転手だったジャビド氏は、自力でのし上がった移民2世の政治家であることを常に打ち出してきた。ただ資産運用業界からすると、自分たちの仲間内の一人、つまり銀行業界で20年近く勤務した経験のあるジャビド氏が、英国の欧州連合(EU)離脱手続きの重要な部分を握る点に安心感を持つだろう。
ブレグジット(英のEU離脱)を熱心に推進する人々は、ジャビド氏に不信感を抱くかもしれない。かつてEUに懐疑的な人物とみなされていたのに、その後EU残留を働き掛け、2016年の国民投票が離脱支持と出ると、今度は「われわれは今、全員がブレグジット派だ」と発言した。
もっとも、こうした過去の順応性ゆえに、投資家はジャビド氏を中道主義者と受け止め、ジョンソン氏が提唱する「一か八か」のブレグジットを穏健な方向に導く効果をもたらす人物と考える。何しろ英国が合意のないままEUを離脱すれば、経済的な混乱が起きるとの警告が、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)などさまざまな関係者から発せられているのだ。
一方、ジャビド氏の財政運営に関する認識は、歳出拡大を目指すという点でジョンソン氏と一致している。ジャビド氏は自分のオフィスにマーガレット・サッチャー元首相の肖像を掲げているものの、最近打ち出した政策案を見ればケインズ政策の色合いが濃い。例えば、政府が500億ポンドを借り入れて新規住宅に投資することや、1000億ポンド規模のインフラ整備向け投資資金の設立などを提案している。
ある程度の財政出動は、まさに英国が必要とする政策ではないだろうか。特にジョンソン氏のEUとの新たな離脱協定案を巡る交渉が難航する場合はそうなる。ジャビド氏は、まだジョンソン氏と次期首相の座を争っていた5月に、英国が10月末に本気で離脱するとEUに分からせるため、首相になれば「合意なき離脱時の予算」の準備を命じると述べていた。財務相に就任した今、そうした予算を自ら策定しなければならなくなるかもしれない。
ジョンソン氏はジャビド氏について、党首選中の公約を実現する財源をどれだけ見つけられるかで、使える人間かどうか判断を下すだろう。シティーによる評価は、ジャビド氏がジョンソン氏の強硬なブレグジット路線をたしなめて、財政赤字を制御しながら経済成長を維持することができるかにかかっている。
いくらジャビド氏がこれまでどんな時でも頼りになる男だと証明してきたとしても、これは相当な重荷と言える。
●背景となるニュース
*ジョンソン英首相は24日、新たな財務相にジャビド内相を指名した。ジャビド氏は2009年、ドイツ銀行から政界に入った。
*英保守党は23日、ジョンソン氏が党首選決選投票で66%の票を集めて勝利したと発表した。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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