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概要:10日の米国株式市場で、S&P総合500種が取引開始直後に初めて3000ポイントの大台に到達する場面があった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が同日、利下げが迫っているという市場の観測を裏付ける議会証言を行ったからだ。 S&P500はその後上値が重くなって終値は0.45%高の2993.07ポイントにとどまったが、一時的にせよ3000を付けたことで今年に入って最高値更新を続けてきた株式市場をさらに勢いづかせる可能性がある。
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 10日の米国株式市場で、S&P総合500種が取引開始直後に初めて3000ポイントの大台に到達する場面があった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が同日、利下げが迫っているという市場の観測を裏付ける議会証言を行ったからだ。
S&P500はその後上値が重くなって終値は0.45%高の2993.07ポイントにとどまったが、一時的にせよ3000を付けたことで今年に入って最高値更新を続けてきた株式市場をさらに勢いづかせる可能性がある。
ディレクシオン・インベストメンツのプロダクト責任者デービッド・マッツァ氏は「3000に乗せれば、株式市場により多くの投資家が興味を寄せてもおかしくない。この種の心理的効果が投資家を市場に戻してくれれば、今の相場を維持していく上でこれまで存在しなかった追い風になり得る」と話した。
S&P500が終値で2000を始めた突破したのは2014年8月26日だったので、それから約5年で1000ポイント上がった計算だ。対照的に1000から2000までの上昇には16年余りを要し、その間には2回の景気後退があった。
もちろん同じ1000ポイントの幅でも、1000から2000までの上昇率は100%だが、2000から3000では50%と違ってくる。
S&P500の中で最も有名な銘柄の一部は、2000から3000までの上昇局面で屈指の値上がり率も記録した。例えばアマゾン・ドット・コム(AMZN.O)株は約490%、ネットフリックス(NFLX.O)は450%も高騰している。
インバネス・カウンセルのチーフ投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は、S&P500の3000乗せは「米経済や企業の強さとそれらの成長ぶりを示している。特にハイテク分野の成長力、そしてあらゆる業種の企業がコスト圧縮や製品改善のためにハイテクを利用している様子を物語っている」と指摘した。
情報技術(ハイテク)株と一般消費財株は、S&P500を年初から19%余り押し上げた原動力にもなってきた。
投資家によると、今年の上昇はFRBの政策運営姿勢がよりハト派に転じるとの見通しに起因する部分がかなり大きい。
ただサントラスト・アドバイザリー・サービシズのチーフ市場ストラテジスト、ケース・ラーナー氏は、過去1年ベースではまだ株式市場からは大幅に資金が流出していると述べ、「高値更新にもかかわらず、市場の地合いは比較的悪い」と説明する。それでも、S&P500が300台を維持すれば、様子見していた投資家の一部が再び買いを入れるだろうという。
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