米株上昇、ＦＲＢ議長のハト派発言で利下げ期待高まる

［１０日 ロイター］ - 米国株式市場は上昇。Ｓ＆Ｐ５００は一時、史上初の３０００ポイント台に乗せた。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長によるハト派的な発言を受けて、７月の利下げ期待が高まった。ダウ平均株価は取引時間中の最高値を更新。ハイテク株の多いナスダック総合指数は終値で最高値を更新した。

パウエル議長はこの日、下院金融サービス委員会で証言し、貿易摩擦や世界経済の減速による米景気拡大への影響に対処するため「必要に応じ行動する」と表明。今月末に開催する米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で約１０年ぶりとなる利下げ実施へ下地を整えた。

加えて、Ｓ＆Ｐ５００が３０００ポイントの大台を突破したことも市場心理を押し上げたという。

チェリーレーン・インベストメンツ（ニュージャージー州）のリック・メクラー氏は「市場では全般的に『ＦＲＢに逆らうな』との信念が根強い。どのような理由であれ利下げされれば、株価は最高値を更新してもおかしくない」と指摘。「ただし相場はこれまでかなり上げているし、企業決算が引き続き堅調とならない限り、買い続ける投資家は少ないのではないか」と述べた。

６月１８─１９日の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）議事要旨では、多くのメンバーが、米経済のリスクが低下しなければ目先の利下げが必要となるとの見方を示していたことが分かった。議事要旨を受け株価は一時上げ幅を拡大した。

ネット通販大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)やマイクロソフト(MSFT.O)、アップル(AAPL.O)などの上げが相場を押し上げた。一方、金融株は軟調。金利低下は利ざやの圧迫材料と見なされる。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を１．９２対１の比率で上回った。ナスダックは１．１９対１で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は６３億８０００万株。直近２０営業日の平均は６７億２０００万株。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 26860.20 +76.71 +0.29 26851.9 26983. 26813. .DJI

6 45 11

前営業日終値 26783.49

ナスダック総合 8202.53 +60.80 +0.75 8183.20 8228.6 8160.5 .IXIC

0 6

前営業日終値 8141.73

Ｓ＆Ｐ総合５００種 2993.07 +13.44 +0.45 2989.30 3002.9 2984.6 .SPX

8 2

前営業日終値 2979.63

ダウ輸送株２０種 10291.64 -47.37 -0.46 .DJT

ダウ公共株１５種 828.09 +2.77 +0.34 .DJU

フィラデルフィア半導体 1471.51 +10.30 +0.70 .SOX

ＶＩＸ指数 13.04 -1.05 -7.45 .VIX

Ｓ＆Ｐ一般消費財 973.86 +3.77 +0.39 .SPLRCD

Ｓ＆Ｐ素材 360.78 -0.68 -0.19 .SPLRCM

Ｓ＆Ｐ工業 644.35 -1.87 -0.29 .SPLRCI

Ｓ＆Ｐ主要消費財 612.31 +4.47 +0.74 .SPLRCS

Ｓ＆Ｐ金融 464.34 -2.15 -0.46 .SPSY

Ｓ＆Ｐ不動産 236.79 +1.23 +0.52 .SPLRCR

Ｓ＆Ｐエネルギー 474.26 +6.56 +1.40 .SPNY

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1082.10 +3.91 +0.36 .SPXHC

Ｓ＆Ｐ通信サービス 169.81 +2.12 +1.26 .SPLRCL

Ｓ＆Ｐ情報技術 1408.51 +11.21 +0.80 .SPLRCT

Ｓ＆Ｐ公益事業 309.42 +0.98 +0.32 .SPLRCU

ＮＹＳＥ出来高 7.41億株 .AD.N

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 21545 + 45 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 21530 + 30 大阪比