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概要:ユーロ圏諸国が債務をプールして共通の債券を発行する構想が、ドイツなど富裕国の反対で停滞しているため、代わりに年限の短い共通証券(ビル)を発行する案が浮上している。 ユーロ圏では金融危機以降に「トリプルA」格の国債が不足するようになり、ユーロ圏共通債を導入して「安全資産」を増やす構想がくすぶり続けている。昨年は欧州連合(EU)欧州委員会がそうした構想を公表したが、ドイツなどは経済状態が弱い国の債務を負担させられることになるとして拒
[ロンドン/ブリュッセル 9日 ロイター] - ユーロ圏諸国が債務をプールして共通の債券を発行する構想が、ドイツなど富裕国の反対で停滞しているため、代わりに年限の短い共通証券(ビル)を発行する案が浮上している。
ユーロ圏では金融危機以降に「トリプルA」格の国債が不足するようになり、ユーロ圏共通債を導入して「安全資産」を増やす構想がくすぶり続けている。昨年は欧州連合(EU)欧州委員会がそうした構想を公表したが、ドイツなどは経済状態が弱い国の債務を負担させられることになるとして拒絶し、協議は進展していない。
このため当局者らは、短期証券を含む他の選択肢を模索。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は2月、ユーロ圏諸国が共同で保証する期間1年以下の「ユーロ・ビル」導入の可能性に言及した。業界筋によると、欧州委はこの案を検討している。
ただ、5月の欧州議会選挙を経て欧州委員会の新体制が始動するまで協議の進展は見込めず、その後も急速に前途が開かれる可能性は低い。
<危険な一歩か>
ユーロ圏の短期証券構想は、2011年にEUの金融規制顧問だった英国人のグレアム・ビショップ氏が提案したのが始まりだ。期間2年の証券を発行するという提案だったが、同氏は現在、期間6カ月の証券導入を検討している。
ビショップ氏の案は「ユーロ圏各国の短期証券を基金にプールした上で再発行する」もの。EUの財政規則を破った国は基金から排除されるほか、他国の債務を加盟国が負担する義務はない。
アナリストによると、ユーロ圏共通の短期証券は特に銀行にとって役に立つ。銀行は資金手当ての担保として高格付けのソブリン債を必要としているが、トリプルA格のドイツとオランダの国債発行が減っているからだ。
ジェフリーズ(ロンドン)の首席欧州エコノミスト、デービッド・オーエン氏は「ユーロ圏共通債には政治的な反対があるため、安全なユーロ圏短期証券の発行にとどめておくことは、正しい方向への良い一歩と見なされるだろう」と話す。
しかし批判派は、ユーロ圏短期証券をつくれば各国に債務負担を求める圧力が強まると懸念する。欧州議会のマーカス・ファーバー議員(ドイツ)は「ひとたび『安全資産』なるものができれば、債務相互化の声が起こるのは避けられないだろう。従って、その方向へ歩み始めることさえ慎むべきだ」と語った。
<破綻のループ>
ユーロ圏共通債のメリットは、ユーロ圏債務危機の際に注目された。当時、銀行は主に自国政府が発行した国債を担保に資金を借りており、国債の信用度が疑われればその銀行の信用度が下がり、逆も真なりという「破綻のループ」が生じた。
このループは今も残っており、欧州の銀行はECBから低金利で借りた資金で国債を買い増している。
EU幹部らは、外国人投資家にとってユーロの魅力を高め、準備通貨としてのドルの覇権に対抗する上でもユーロ建て安全資産の発行を増やしたい意向だ。
ユーロ圏各国が発行するソブリン債のうち、トリプルA格は金融危機前に約5割を占めていたが、現在は約25%に減っている。一部諸国の格付けが下がったことが背景。
ビショップ氏は、ユーロ圏の短期証券の利回りが収れんしたため、10年前に比べて懐疑派も共通短期証券を受け入れやすいはずだと見ている。ドイツのように欧州で資産の信用度が最も高い国にとっても、参加のコストが低くなっているからだ。
ドイツ財務省報道官はコメントを控えた。
ドラギECB総裁は先月の記者会見で、ユーロ圏共通の安全資産導入を最終決定するのは政治家だとした上で、「このことは、欧州共通の安全資産導入が完全に理に適っているという主張を邪魔するものでは全くない」とくぎを刺した。
(Dhara Ranasinghe記者 Francesco Guarascio記者)
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