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概要:25日の東京市場で長期金利<JP10YTN=JBTC>のマイナス幅が一段と拡大した。日銀は昨年7月に決めたゼロ%を中心とした上下0.2%程度の範囲内で推移しており、当面は市場動向を静観するとみられる。金利低下が円高回避につながっているとの分析も日銀内にはあり、問題視する声がない。
25日の東京市場で長期金利JP10YTN=JBTCのマイナス幅が一段と拡大した。日銀は昨年7月に決めたゼロ%を中心とした上下0.2%程度の範囲内で推移しており、当面は市場動向を静観するとみられる。金利低下が円高回避につながっているとの分析も日銀内にはあり、問題視する声がない。
ただ、長期金利のマイナス圏推移の長期化は、市場機能や金融仲介機能など副作用が、累積的に積み上がるリスクもあり、世界経済の反転がいつになるのか情勢分析を急いでいる。
<長期金利低下、調節上問題なし>
米長期金利の低下を受け、25日の東京市場で日本の長期金利は一時マイナス0.095%に低下した。これは現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を導入する前の2016年8月以来、2年7カ月ぶりの低水準となる。
日銀は長期金利の操作目標である「ゼロ%程度」の解釈について、昨年7月にゼロ%を中心に上下0.2%程度に事実上拡大した。
足元の水準はその範囲内であり、日銀内では「金融市場調節上の問題はない」との認識で一致しているとみられる。
むしろ、変動幅を拡大したことによって「昨秋以降の金融市場の不安定な動きを緩和する役割も果たしている」(1月金融政策決定会合の議事要旨より、ある政策委員)との指摘もある。
つまり、長期金利の低下幅が大きくなったことで、足元で起きている海外金利の低下に伴って生じると予想される円高方向への圧力を一定程度、緩和させているとの分析だ。
だが、昨年7月の段階で金融正常化路線を進めていた米国は、世界経済の不透明感が強まる中で利上げ休止を余儀なくされ、足元では先行きの利下げも市場で意識されるなど世界経済・金融市場の環境は大きく変化している。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのチーフ金利ストラテジスト、大崎秀一氏は長期金利の低下について、米連邦準備理事会(FRB)のハト派姿勢やドイツの3月製造業PMIが予想を下回ったことで「リスクオフの流れが意識されている」とし、政策金利であるマイナス0.1%を下回る可能性も「高まった」(同)とみている。
<マイナス長期化、副作用拡大の懸念>
米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は25日、米利上げは「来年後半まで想定していない」と発言。FRB主導で日米金利差が拡大方向に再び動き出すのは、かなり先であることが多くの市場に関係者に認識されている。
日本の長期金利のマイナス幅拡大がどこまで進むかは予断を許さないものの、マイナス圏での滞留が「長期化する様相を強めているのは確か」(国内金融機関の関係者)という見方が、市場に広がりだした。
長期金利のマイナス幅拡大や長期化は、金融機関の収益や保険・年金の運用への影響など金融緩和の副作用のさらなる拡大に直結する。マイナス金利の国債に対する投資家需要は乏しく、市場機能の一段の低下につながるリスクもある。
市場では、長期金利のマイナスが拡大・長期化した場合、「金融機関収益の一段の圧迫が意識され、株式市場のさらなる悪材料になる」(別の国内金融機関関係者)との指摘も出ている。
<待たれるリスクオフ心理の沈静化>
ただ、日銀にとってかじ取りが難しいのは、副作用への配慮に比重を置き過ぎ、国債買い入れの減額などを大胆に展開すれば、市場が長期金利の低下をけん制したと受け止め、内外金利差の縮小観測などを背景に円高が進行しかねないリスクが存在することだ。
現在の内需の状況について、日銀は輸出と生産が落ち込んでいるものの、設備投資や個人消費といった内需はしっかりしていると判断している。
このため、現行の金融政策を粘り強く継続し、設備投資の拡大などをサポートしつつ、国内景気の拡大メカニズムが動き出すのを待つ戦略を採っているとみられる。
円高進行のリスクがあるような選択は回避し、許容レンジ内での長期金利の低下を静観していく可能性が高い。
だが、「持久戦」の構えを維持したまま、別の外的理由で円高が進み出した場合、日銀は難しい状況に直面しかねない。中国政府による景気対策の効果が発現し、海外経済が再び持ち直すまでにリスクオフ心理が一段と広がるかどうか、日銀は注意深く動向を見守ることになりそうだ。
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