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概要:転職する人と会社に残る人の給与格差はこの10年で最も大きく広がっています。パンデミックを機に自分に合った仕事を求めて転職した結果、給与が倍額になった例もあるようです。
現在、転職する人と会社に残る人の給与格差は、ここ数十年で最も大きく広がっている(画像はイメージ)。
andresr/Getty Images
26歳のエレイン・リー氏は、最初の仕事が自分にふさわしくないと思い、辞めることにした。
「大量離職時代」と「静かな退職」を経験したリーは、仕事は生活のために存在するのであって、その逆ではないと悟った。
現在、リーはJPモルガン・チェースでユーザーエクスペリエンスのデザインに携わり、以前の給料のほぼ倍を稼いでいる。
エレイン・リー(Elaine Lee)氏は、以前勤めていた小売りチェーン「ロス(Ross)」での職場環境は良好で、チームのみんなからも頼られていたと言う――だが、本人は満足していなかった。
「毎日がストレスの連続でした」とリー氏はInsiderに語る。「不安を抱えたまま眠りにつくのが普通で、ある日気づいたのです。何かを変えなければならない、と」
リー氏は、そのストレスが自分の内側から来ていることに気づいた。
「しっかり仕事をしたいという思いはあったのですが、もっと上手になりたいなどというような強い向上心はなかったようです」と、リー氏は説明する。
そこにとどめを刺すかのように、パンデミックがやって来た。
「ずっと家で仕事をするようになり、街での生活につきものの仕事以外のあれやこれができなくなったことで――生活に占める仕事の比重が突然大きくなったような気がして、それをきっかけに、自分は仕事をそれほど楽しんでいないのだと気づきました」
リー氏は生き方を変える決心をしてニューヨークを去り、両親の待つニュージャージーの実家に戻った。そして、自分のキャリア、メンタルヘルス、仕事への取り組みについて、じっくりと考えたのである。
「静かな退職」や「給料に応じた労働」などと、名前こそ新しいが、「決められた仕事以上のことは一切しない」という古い風潮が広がるなかで、リー氏はそれ以上を求めた。リー氏が職業生活で幸せになれなかったのは、現状に情熱をもてないこと、自分が望むほどうまくできないため仕事を恐れるようになっていたこと、この2点に気づいたためだ。
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多くの人が「今以上」を求めている
今は「大量離職時代」――「大量転職時代」とも呼ばれる――、過去2年で何百万人もの労働者が仕事を辞めた。アメリカ人の多くが、低い賃金、貧しい労働環境、不均衡なワーク・ライフ・バランスにうんざりしていることが明らかになった。組合活動が盛んになっているのも、不満の表れだと言える。
動機はどうであれ、労働者の多くが情熱を捧げられる仕事を求めて、今の仕事を辞めている。たとえば、自ら事業を立ち上げる人の数も、記録を更新した。リー氏のような現在26歳から41歳のミレニアル世代の人々が大量離職時代の推進力になっている。
「今以上」を求めるのが自分だけではないという事実を知ったことで、リー氏は自分の仕事ぶりや自尊心に対して抱いていた罪悪感が和らいだ。
「大量離職時代と静かな退職があったおかげで、私は完璧主義を捨てることができました」と、リー氏は語る。
「仕事は、私の望む生活ができるように私をサポートするものであって、その逆ではないのです」
あらゆる企業が求めるハードスキル
リー氏は就職の心配をしながら実家で2年間を過ごし、なぜ前の会社を辞めてしまったのかなどと考えることもあったが、それでも職場を離れて過ごした時間は、自分自身にとってはとても貴重だったとInsiderに話した。
「新しい方向性を見つける必要がありました」と、リー氏は言う。
もっとクリエイティブに働ける仕事がしたいと考え、ユーザーエクスペリエンス(UX)のデザインに目を向けた。9時から5時までの仕事をしていない状況を利用して、UXについて調べ物をしたり、フェイスブックのグループで知り合ったデザイナーたちに話しかけたり、デザインコンテストに参加したりした。
UXデザイナーの仕事は、テクノロジー製品のブランディング、デザイン、使い勝手、機能などを扱い、それらを使いやすくすることだ。この分野は近年人気が高まってきていて、音楽ストリーミング業界から保険会社にいたるまで、あらゆる企業がUXの研究者、ライター、デザイナーを雇用している。2020にはリンクトインが、UXデザインは企業が求める5番目に重要なハードスキルだと発表した。
そして、実り豊かなハードスキルでもある――インディード(Indeed)の発表によると、UXデザイナーの平均基本給はおよそ10万ドル(約1400万円)だそうだ。
「朝起きるのが嫌にならない仕事を」
2年後にUXデザインへの道を選んだとき、リー氏はすでにその仕事に携わる準備ができていて、JPモルガン・チェースに入社することができた。そこで年間9万5000ドル(約1370万円)の収入を得ている。ロスで働いていたころの5万7000ドル(約825万円)に比べれば、大幅な増加だ(Insiderが給与明細で確認)。
リー氏は、そのような幸運を手に入れられたのは、自分の興味について深く考えながら勉強する時間があったことと、仕事での成功についてそれまでずっと感じていたプレッシャーを手放せたおかげだと考えている。さらに、頼りになる家族がいたことと、ある程度の貯金があったのもありがたかった、と付け加えた――もっと多くの労働者に、そのような機会があればいいのに、とも。
そして、こう締めくくった。「私は朝起きるのが嫌にならない、やっていて楽しい仕事がしたいのです」
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[原文:A career-switching millennial nearly doubled her salary to $95,000 after the Great Resignation and quiet quitting helped her choose a more fulfilling path]
(翻訳・長谷川圭/LIBER、編集・長田真)
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